カーヴ・ド・リボーヴィレ(Cave de Ribeauvillé)│アルザス最高峰の協同組合ワイナリー訪問解説!

カーヴ・ド・リボーヴィレの看板
カーヴ・ド・リボーヴィレのワイナリーの看板。
リボーヴィレの街に付いて、バスから降りて目に飛び込んできます。

アルザスの生産者カーヴ・ド・リボーヴィレ(Cave de Ribeauvillé)はどんなワイナリー?

アルザス地方リボーヴィレに旅行するあなたへ:フランス最古の協同組合ワイナリーを訪問
カーヴ・ド・リボーヴィレの特徴を知りたい方へ:グラン・クリュを含む多彩なテロワールと品質主義を解説
訪問前の基本情報:初めて訪れる方や、訪問経験のある方がその魅力を振り返るために


この記事を読めば、アルザスワインの歴史と革新を体現する生産者カーヴ・ド・リボーヴィレの基本情報を1記事でしっかり理解できます。

目次

基本情報

カーヴ・ド・リボーヴィレの入口

カーヴ・ド・リボーヴィレ(Cave de Ribeauvillé)は、アルザス地方の中心地、リボーヴィレ村に位置する、フランス最古のワイン協同組合として知られています。
商業観光地の中心にありながら、グラン・クリュを含む高品質なワインを手頃な価格で味わえることから、旅行者にも地元の人々にも長年親しまれているワイナリーです。

  • 所在地: 2 Route de Colmar, 68150 Ribeauvillé, France
  • 創業年: 1895年
  • 組合員数: 約35軒のブドウ栽培農家
  • ワイン生産量: 年間約1,000,000本
  • 試飲: 無料・予約不要、有料ラインアップあり
  • 対応言語: 英語、フランス語、ドイツ語
  • 公式サイト: https://www.vins-ribeauville.com/en/
KSK

私が訪れたとき、コルマールからバスでリボーヴィレの街に着いたときに、まず目に飛び込んできた施設であることが非常に印象的でした。

栽培の特徴

カーヴ・ド・リボーヴィレの最大の特徴は、栽培から醸造までを完全に自社管理している協同組合である点です。栽培面積は約250ヘクタールにおよび、そのうち8つのグラン・クリュ(特級畑)を含む畑を所有しています。

標高200〜400mのなだらかな斜面に畑が広がり、粘土石灰質や片麻岩など、多様な土壌が品種ごとの個性を引き出すのに貢献しています。農薬や化学肥料の使用は最小限に抑えられており、リュット・レゾネやビオロジックへの転換も進行中。手摘み収穫が原則で、収量制限と熟度管理が厳格に行われています。

KSK

カーヴ・ド・リボーヴィレは街の入口付近なのですが、すぐ近くの斜面にもブドウ畑は多くあり、ブドウとともに育つ地域という印象を強く受けました。

栽培されているブドウ品種

カーヴ・ド・リボーヴィレの店内
カーヴ・ド・リボーヴィレの店内の様子。様々な品種や造りごとにワインが並べられていて飽きません。

アルザス伝統品種を中心に、多様な白ワインが栽培されています。とくにリースリングの品質には定評があり、グラン・クリュ区画からは精緻で骨格のあるワインが生まれます。

  • リースリング(Riesling)
     主要品種。オステルベルグやギュルツブルグといった特級畑の個性を反映。
  • ピノ・グリ(Pinot Gris)
     熟した果実味と厚みのあるボディが特徴。
  • ゲヴュルツトラミネール(Gewurztraminer)
     アロマティックでスパイシーなワインに。
  • ミュスカ(Muscat)
     軽やかで香り高い早飲みスタイル。
  • シルヴァネール、ピノ・ブラン、ピノ・ノワール も少量ながら栽培。
KSK

他のアルザスのワイナリー同様、様々な品種のラインナップがあり、とても満足できました。

醸造の特徴

醸造はすべてワイナリー内で行われており、伝統と最新技術の融合が印象的です。
各区画・品種ごとに仕込むことで、テロワールの違いを活かした単一畑のワイン造りを実現。タンクもステンレスと木製のフードルを併用しており、スタイルに応じた熟成が行われます。

  • 白ワイン:
     低温での発酵を行い、香りと酸を保ったスタイルに。
  • ピノ・ノワール:
     マセラシオン・カルボニックやオーク熟成も併用。
  • ヴァンダンジュ・タルディヴ(遅摘み)やセレクション・ド・グラン・ノーブル(貴腐)も手がけており、甘口ワインも豊富。
  • 瓶詰前の濾過・清澄も必要最小限に留め、自然な表現を目指しています。
KSK

甘口のセレクション・ド・グラン・ノーブルを試飲させていただきましたが、びっくりするくらい凝縮感があり、美味しかったことを覚えています。

主なワインリスト

カーヴ・ド・リボーヴィレの試飲の様子
店内での試飲の様子。
ワイン名タイプ品種特徴
リースリング・グラン・クリュ・オステラベルグ(Riesling Grand Cru Osterberg)白・辛口リースリングキリッとした酸とミネラル、熟成ポテンシャルあり
ピノ・グリ・コレクシオン(Pinot Gris Collection)白・中辛口ピノ・グリ洋梨や燻香、しっかりしたボディ
ゲヴュルツトラミネール・グラン・クリュ・グロッケンベルグ)Gewurztraminer Grand Cru Gloeckelberg白・やや甘口ゲヴュルツトラミネールライチ、白胡椒、フローラルな余韻
ミュスカ・トラディシオン(Muscat Tradition)白・辛口ミュスカブドウそのものの香りと繊細な味わい
クレマン・ダルザス・ブリュット(Crémant d’Alsace Brut)発泡・辛口ピノ・ブラン主体きめ細かな泡とフレッシュな柑橘の香り

KSK

試飲も無料でしたが、店員の方もとても気さくで、英語での質問などにたくさん答えていただきました。午前中なのにも関わらず、店内で買い物できたので、とても時間を有意義に使えました。

コラム:旅行者として感じた、カーヴ・ド・リボヴィレならではの魅力

🏰 村歩きとセットで楽しめる立地
 ショップを出てすぐに、中世の街並みや城跡が広がります。試飲のあと、そのまま軽くハイキングできるのもこのワイナリーならでは。

🍷 予約不要で気軽にテイスティング可能
 訪問時も、観光客で賑わっていたにもかかわらず、スタッフが一組ずつ丁寧に案内。無料とは思えないクオリティの試飲体験ができました。

🧳 観光地価格ではない良心的な販売価格
 グラン・クリュのリースリングが20ユーロ台で購入可能。日本では考えられないコストパフォーマンスでした。

KSK

アルザス・コルマールの街から日帰りで旅行できることも魅力。
アルザスのワイン全般やリースリングのブドウ品種などについてまとめた記事もありますので、ぜひこちらもご覧ください。


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この記事を書いた人

とある企業の会社員
突然ワインに目覚めて、その奥深さにハマる。
WSET Lv.3のほか、日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート、チーズプロフェッショナル協会認定チーズプロフェッショナルも保有し、現在は、WSET Diploma(WSET ディプロマ)に挑戦中。
10カ国100箇所以上のワイン関連の自治体を巡った経験を基に、ワインの情報や勉強をもっと気軽にできるよう、世界のワインの情報を統合してお届けできるようサイトを運営していきます。

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