ロデレール・エステート(Roederer Estate)│シャンパーニュの精神をカリフォルニアに〜

ロデレール・エステート(Roederer Estate)│シャンパーニュの精神をカリフォルニアに〜
目次

1. 基本情報

Roederer Estate(ロデレール・エステート)は、フランス・シャンパーニュの名門「Louis Roederer(ルイ・ロデレール)」が1982年にカリフォルニア州アンダーソン・ヴァレーに設立したワイナリーです。伝統的なシャンパーニュ製法を忠実に守りながら、北カリフォルニアの冷涼な気候を活かしたエレガントなスパークリングワインを生産しています。

  • 所在地:アメリカ・カリフォルニア州メンドシーノ郡アンダーソン・ヴァレー
  • 創立年:1982年
  • 設立者:ジャン=クロード・ルゾー(Louis Roedererの当主)
  • 所有者:Champagne Louis Roederer(フランス)
  • 主要品種:シャルドネ、ピノ・ノワール
  • 公式サイトhttps://www.roedererestate.com

2. 歴史

ロデレール・エステートの歴史は、ルイ・ロデレール社が1980年代初頭に新天地を探し、アメリカでのスパークリングワイン生産を視野に入れたことに始まります。当時の当主ジャン=クロード・ルゾーは、世界中の候補地を調査した結果、冷涼で朝霧に包まれる気候、理想的な土壌構成、そしてピノ・ノワールとシャルドネの栽培適性に優れたアンダーソン・ヴァレーを選びました。

1982年にワイナリーが正式に設立され、1988年にはファーストヴィンテージとなる「Roederer Estate Brut」がリリース。以降、アメリカにおける最高峰のスパークリングワイン生産者のひとつとして、その地位を確立しました。

現在でも、ルイ・ロデレール社の哲学と品質基準に基づき、栽培から醸造、熟成までのすべての工程が自社管理のもとで行われています。

3. 栽培の特徴

ロデレール・エステートは、アンダーソン・ヴァレーに約600エーカー(約240ヘクタール)以上の自社畑を所有しています。この地域は海に近く、太平洋からの冷涼な風と朝霧によって、シャルドネとピノ・ノワールの栽培に理想的な条件が揃っています。

  • 品種構成:およそ60%がピノ・ノワール、40%がシャルドネ
  • 農法:一部ではオーガニックまたはバイオダイナミック農法を導入
  • 収量管理:品質重視のため、低収量を徹底
  • 収穫方法:すべて手摘みで収穫され、最適な熟度の果実のみを使用

これにより、果実の酸度と熟度のバランスが取れたブドウが得られ、繊細でフレッシュな味わいのスパークリングワインが実現されています。

4. 醸造の特徴

ロデレール・エステートでは、シャンパーニュの伝統に倣い、**瓶内二次発酵(Méthode Traditionnelle)**を用いたスパークリングワインを造っています。以下の特徴が品質の高さを支えています。

  • ドサージュの低さ:ワイン本来の味わいを生かすため、ドサージュ(リキュール添加)は控えめ
  • リザーヴワインの使用:オーク樽で熟成させたリザーヴワインを用いることで、複雑さと一貫性を確保
  • 瓶熟成期間:スタンダードのBrutでも最低2年間、上級キュヴェは4〜5年に及ぶ長期熟成
  • マロラクティック発酵:まろやかな口当たりをもたらすMLFを積極的に採用

このようにして、フランス・シャンパーニュの伝統をアメリカで再現する、極めて高品質なスパークリングワインが誕生しています。

5. 生産している主なワインリスト

以下は、ロデレール・エステートが誇る主なワインラインナップです。

1. Roederer Estate Brut

ロデレール・エステートを代表するスタンダード・キュヴェ。シャルドネとピノ・ノワールのバランスが良く、きめ細かな泡立ちとフレッシュな酸味が魅力です。

2. Roederer Estate Brut Rosé

ピノ・ノワール比率を高め、色鮮やかで赤系果実の風味が豊かなロゼ・スパークリング。エレガントかつフードフレンドリー。

3. L’Ermitage Brut

ヴィンテージ・キュヴェで、熟成期間は5年以上。最高区画のブドウとリザーヴワインを用いた、複雑で深い味わいを持つ逸品です。

4. L’Ermitage Rosé

L’Ermitageのロゼバージョンで、繊細な泡と熟成感、果実の甘美さが融合。希少な限定生産ワインです。

5. Quartet by Roederer Estate

一部の輸出市場で展開されているコストパフォーマンス重視のブランド。品質の高さはそのままに、より手頃な価格帯で楽しめます。

6. コラム(豆知識)

  • 🔹 「L’Ermitage」はシャンパーニュの精神を受け継ぐプレミアムキュヴェ
     その名はロデレール社の歴史的畑「L’Ermitage(エルミタージュ)」に由来します。
  • 🔹 アンダーソン・ヴァレーの隠れた魅力
     ナパやソノマに比べて知名度は低いですが、冷涼で優れたピノ・ノワールとシャルドネの産地として、近年注目を集めています。
  • 🔹 家族経営と品質主義
     ロデレール・エステートは、現在もルイ・ロデレール家によって運営されており、外部資本に依存しない独立した品質主義を貫いています。

まとめ

Roederer Estate は、シャンパーニュの名門「Louis Roederer」がアメリカ・カリフォルニアで展開するスパークリングワイン専門のワイナリーです。冷涼なアンダーソン・ヴァレーの気候と自社畑のブドウ、そして伝統的なシャンパーニュ製法によって、フランスにも引けを取らない高品質な泡を生み出しています。

初心者の方にも楽しみやすいスタンダードキュヴェから、上級者を唸らせるプレミアムヴィンテージまで幅広く揃っており、アメリカのスパークリングワインの中でも特に信頼できるブランドです。お祝いのシーンや、特別なディナーのお供として、ぜひ一度Roederer Estateのスパークリングワインを試してみてください。

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この記事を書いた人

とある企業の会社員
突然ワインに目覚めて、その奥深さにハマる。
WSET Lv.3のほか、日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート、チーズプロフェッショナル協会認定チーズプロフェッショナルも保有し、現在は、WSET Diploma(WSET ディプロマ)に挑戦中。
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