ランサローテ(Lanzarote)DO│火山の大地が育む唯一無二の味わい

目次

1. 導入:ランサローテとは?

ランサローテは、スペイン領カナリア諸島の最東端に位置する火山島で、1994年に原産地呼称(DO)として認定されました。島全体が火山灰に覆われ、独特の風景とワイン文化を持つこの地では、特異な気候と土壌条件を活かしたブドウ栽培が行われています。特に「ラ・ヘリア(La Geria)」地域は、火山灰に掘られた穴にブドウを植える独自の栽培方法で知られています。

2. 気候

ランサローテは、年間降水量が約150mmと非常に少なく、乾燥した気候が特徴です。しかし、火山灰(ピコン)が夜間の湿気を吸収し、日中に放出することで、ブドウの成長に必要な水分を供給しています。また、強風からブドウを守るため、石を積んだ半円形の壁(ソコス)で囲まれた穴に一本ずつ植える「オヨス」と呼ばれる栽培方法が採用されています。

3. 主なブドウ品種

ランサローテでは、以下のような土着品種が栽培されています:

  • マルバシア・ボルカニカ(Malvasía Volcánica):白ワイン用の主要品種で、火山性土壌から生まれるミネラル感とフルーティな香りが特徴です。
  • リスタン・ネグロ(Listán Negro):赤ワイン用の品種で、軽やかで果実味豊かな味わいが魅力です。
  • ネグラモール(Negramoll):赤ワインやロゼワインに使用され、柔らかなタンニンと繊細な風味を持ちます。
  • モスカテル(Moscatel):デザートワインに適した品種で、芳醇な香りと甘みがあります。

4. 醸造

ランサローテのワイン生産者は、伝統的な手法と最新の技術を融合させた醸造を行っています。特に白ワインでは、マルバシア・ボルカニカの特性を活かし、果実味と酸味のバランスが取れたエレガントなスタイルを追求しています。また、赤ワインやロゼワイン、デザートワインなど、多様なスタイルのワインも生産されています。

5. DOなどの規制

ランサローテDOは、島全体をカバーし、約1,800ヘクタールのブドウ畑が広がっています。DOの規定では、使用できるブドウ品種や収穫量、アルコール度数、熟成期間などに関する厳格な基準が設けられており、品質の高いワインの生産が保証されています。特に、マルバシア・ボルカニカを使用した白ワインは、ランサローテを代表するワインとして高く評価されています。

6. 主な生産者

以下に、ランサローテを代表するワイナリーをご紹介します:

生産者名(読み方)概要公式HPInstagram
ボデガス・エル・グリフォ(Bodegas El Grifo)1775年創業のカナリア諸島最古のワイナリーで、マルバシア・ボルカニカを使用した高品質な白ワインで知られています。https://elgrifo.com/https://www.instagram.com/bodegaselgrifo/
ボデガ・ラ・ヘリア(Bodega La Geria)ラ・ヘリア地域に位置し、伝統的な栽培方法と最新技術を融合させたワイン造りを行っています。https://www.lageria.com/https://www.instagram.com/bodegalageria/
ボデガ・ロフェ(Bodega Rofe)土着品種を使用し、自然な醸造方法で個性的なワインを生産しています。https://www.rofe.wine/https://www.instagram.com/bodegarofe/

まとめ

ランサローテは、火山性土壌と独特の気候条件を活かしたユニークなワイン産地です。伝統的な栽培方法と土着品種から生まれるワインは、ミネラル感とフルーティな香りが特徴で、世界中のワイン愛好家から注目を集めています。ぜひ、ランサローテのワインを試して、その魅力を体感してみてください。


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この記事を書いた人

とある企業の会社員
突然ワインに目覚めて、その奥深さにハマる。
WSET Lv.3のほか、日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート、チーズプロフェッショナル協会認定チーズプロフェッショナルも保有し、現在は、WSET Diploma(WSET ディプロマ)に挑戦中。
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