フミーリャ(Jumilla)DO│スペインでモナストレルが織りなす力強い味わい

フミーリャ(Jumilla)│スペインでモナストレルが織りなす力強い味わい
目次

1. 導入:フミーリャとは?

フミーリャ(Jumilla)は、スペイン南東部ムルシア州に位置するワイン産地で、1966年に原産地呼称(DO)として認定されました。この地域は、古代ローマ時代からワイン造りが行われており、特に赤ワイン用のモナストレル(Monastrell)品種で知られています。近年では、品質の向上と国際的な評価の高まりにより、世界中のワイン愛好家から注目を集めています。

2. 気候と地理

フミーリャは、地中海性気候と大陸性気候が交差する地域に位置し、夏は非常に暑く乾燥し、冬は寒冷で霜のリスクもあります。年間降水量は約300〜350mmと少なく、乾燥した気候がブドウの病害を防ぎ、健全な果実の収穫を可能にしています。標高は400〜800mで、石灰質の土壌が広がり、水はけが良く、ブドウ栽培に適した環境が整っています。

3. 主なブドウ品種

フミーリャでは、赤ワイン用のモナストレルが主要品種として栽培されており、全体の約80%を占めています。この品種は、厚い果皮と高い糖度を持ち、深い色合いと豊富なタンニンを備えたフルボディのワインを生み出します。また、テンプラニーリョカベルネ・ソーヴィニヨンメルローシラーなどの国際品種も栽培されています。白ワイン用には、マカベオ、アイレン、シャルドネソーヴィニヨン・ブランなどが使用されています。

4. 醸造とワインスタイル

フミーリャのワイン生産者は、伝統的な手法と最新の技術を融合させた醸造を行っています。特に赤ワインでは、モナストレルの特性を活かし、果実味とタンニンのバランスが取れた力強いスタイルを追求しています。また、白ワインやロゼワイン、デザートワインなど、多様なスタイルのワインも生産されています。近年では、オーガニックやヴィーガン認証を取得したワインも増えており、品質と環境への配慮が両立されたワイン造りが進められています。

5. DOPなどの規制

フミーリャDOは、約4,830ヘクタールのブドウ畑が広がり、厳格な規定により品質の高いワインの生産が保証されています。特に赤ワインでは、モナストレルを主体とし、収穫量やアルコール度数、熟成期間などに関する基準が設けられています。また、フィロキセラの被害を免れた自根の古木が多く残っており、これらのブドウからは凝縮感のある複雑な風味のワインが生まれます。

6. 主な生産者

以下に、フミーリャを代表するワイナリーをご紹介します:

生産者名(読み方)概要公式HPInstagram
ボデガス・カスターニョ(Bodegas Castaño)モナストレルの可能性を追求し、国際的な評価を得ている家族経営のワイナリー。https://www.bodegascastano.com/https://www.instagram.com/bodegascastano/
ボデガス・ラ・プリシマ(Bodegas La Purísima)フミーリャ最大の協同組合で、オーガニックやヴィーガン認証を取得したワインを生産。https://www.bodegaslapurisima.com/https://www.instagram.com/bodegaslapurisima/
セニョリオ・デ・バラオンダ(Señorío de Barahonda)伝統と革新を融合させた高品質なワインを手がける家族経営のワイナリー。https://www.barahonda.com/https://www.instagram.com/barahonda/

まとめ

フミーリャは、モナストレルを中心とした力強く果実味豊かな赤ワインで注目を集めるスペインのワイン産地です。厳しい気候条件と古木のブドウ、伝統と革新が融合した醸造技術により、個性豊かなワインが生み出されています。初心者から愛好家まで、幅広い層におすすめできるフミーリャのワインをぜひお試しください。


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この記事を書いた人

とある企業の会社員
突然ワインに目覚めて、その奥深さにハマる。
WSET Lv.3のほか、日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート、チーズプロフェッショナル協会認定チーズプロフェッショナルも保有し、現在は、WSET Diploma(WSET ディプロマ)に挑戦中。
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