チャコリ・デ・ゲタリア(Getariako Txakolina)│美食の街を彩る微発泡白ワインの秘密に迫る

チャコリ・デ・ゲタリア(Getariako Txakolina)│美食の街を彩る微発泡白ワインの秘密に迫る
目次

1. 導入

チャコリ・デ・ゲタリアは、バスク地方のゲタリア、サラウツ、アイアなどの沿岸地域で生産される白ワインで、1989年に原産地呼称(D.O.)に認定されました。この地域のワインは、地元の食文化と深く結びついており、特に魚介類との相性が抜群です。伝統的には、高い位置からグラスに注ぐことで、ワインに空気を含ませ、香りを引き立てます。

2. 気候

チャコリ・デ・ゲタリアの産地は、大西洋の影響を受けた温暖湿潤な気候で、年間降水量は1,600mmとスペインのワイン産地の中でも高い部類に入ります。平均気温は13.5℃で、日照時間は年間約1,800時間です。ブドウ畑は、海からの冷たい風を避けるため、南東向きの斜面に位置し、標高10〜100メートルの範囲に広がっています。土壌は粘土質で、表層に砂質土壌が覆っています。

3. 主なブドウ品種

チャコリ・デ・ゲタリアで使用される主なブドウ品種は以下の通りです。

その他、プティ・クルブ(Petit Courbu)、グロ・マンサン(Gros Manseng)、プティ・マンサン(Petit Manseng)、リースリング、シャルドネなども許可されています。

4. 醸造

収穫されたブドウは、ステンレスタンクで20〜25日間発酵されます。伝統的には、オークや栗の木で作られた樽(クペル)で発酵されていましたが、現在ではステンレスタンクが主流です。発酵後、ワインは澱とともに熟成され、自然な微発泡性が生まれます。このプロセスにより、酸化を防ぎ、フレッシュな風味が保たれます。

5. DOなどの規制

チャコリ・デ・ゲタリアは、1990年にD.O.(Denominación de Origen)として認定され、品質と伝統が保護されています。以下は主な規制内容です。

  • 最大収量:13,000kg/ha(Wikipedia)
  • アルコール度数:9.5%〜11.5%
  • 許可品種:オンダラビ・スリ、オンダラビ・ベルツァ、プティ・クルブ、グロ・マンサン、プティ・マンサン、リースリング、シャルドネ

また、EUの規定により、「チャコリ(Txakoli)」という名称は、ゲタリア、ビスカヤ、アラバの3つのD.O.で生産されるワインに限定されています。

6. 主な生産者

以下は、チャコリ・デ・ゲタリアの代表的な生産者の一覧です。

生産者名(読み方)概要公式HPInstagram
Txomin Etxaniz(チョミン・エチャニス)1649年創業の歴史あるワイナリーで、D.O.設立の中心的存在。公式HPInstagram
Ameztoi(アメストイ)伝統的な製法と革新的なアプローチを融合させたワイナリー。公式HPInstagram
Gaintza(ガインツァ)1923年創業の家族経営ワイナリーで、伝統的な製法を守り続けています。公式HPInstagram
Talai Berri(タライ・ベリ)1992年設立のワイナリーで、女性醸造家が活躍しています。公式HPInstagram
Hiruzta(ヒルスタ)2012年設立の新進気鋭のワイナリーで、観光施設も併設。公式HPInstagram
Rezabal(レサバル)家族経営のワイナリーで、環境に配慮したワイン造りを行っています。公式HPInstagram
Bengoetxe(ベンゴエチェ)オーガニック農法を採用し、自然酵母で発酵させるワイナリー。公式HPInstagram
Ulacia(ウラシア)伝統的な製法でフレッシュなチャコリを生産するワイナリー。公式HPInstagram
Zudugarai(ズドゥガライ)1989年設立のワイナリーで、「Antxiola」ブランドで知られています。公式HPInstagram
Basaurresti(バサウレスティ)1925年創業の老舗ワイナリーで、4代にわたり家族経営を続けています。公式HPInstagram

チャコリ・デ・ゲタリアは、バスク地方の風土と文化が育んだ、独特の魅力を持つ白ワインです。その爽やかな味わいと微発泡性は、魚介類との相性が抜群で、食事を引き立てます。バスク地方を訪れる際には、ぜひ現地でチャコリを味わい、その魅力を体感してみてください。

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この記事を書いた人

とある企業の会社員
突然ワインに目覚めて、その奥深さにハマる。
WSET Lv.3のほか、日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート、チーズプロフェッショナル協会認定チーズプロフェッショナルも保有し、現在は、WSET Diploma(WSET ディプロマ)に挑戦中。
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