1.基本情報
ワイナリー名:ビソル(Bisol)
所在地:イタリア・ヴェネト州ヴァルドッビアデネ(Valdobbiadene)
主なワイン分類:DOCG プロセッコ・スーペリオーレ(Prosecco Superiore DOCG)
公式サイト:https://www.bisol.it
創業年:1542年(現代体制としては1875年以降)
所有者:ルネ・バルビエ家(Ferrari Trentoグループ)
ヴェネト州の中心に位置するヴァルドッビアデネで、ビソルは16世紀からブドウ栽培とワイン造りを行ってきました。特にプロセッコの高品質な生産者として、国内外のプロから高く評価されています。
2.歴史
ビソル家のワイン造りの歴史は1542年まで遡りますが、現在の形として整ったのは1875年のことです。戦後のプロセッコ復興の立役者のひとつとして、品質を追求する姿勢を一貫して守り続けてきました。
2014年には、イタリア最高峰のスパークリングワイン生産者「フェッラーリ(Ferrari Trento)」を傘下に持つルネ・バルビエ家がビソルを取得。これにより、伝統と近代的な醸造技術の融合がさらに進みました。
3.栽培の特徴
ビソルは、ヴァルドッビアデネ地域にある20以上のクリュを所有しており、特に以下の要素が特徴です:
- 標高の高さ:多くの畑が海抜300〜400mに位置し、昼夜の寒暖差により酸がしっかりと保たれます。
- 土壌構成:粘土質に加え、石灰質やミネラル豊富な砂質がブドウに複雑さを与えます。
- ブドウ品種:主要品種はグレーラ(Glera)。一部でヴェルディッツォ、ビアンケッタ、ペレーラなどの地場品種も使用しています。
- 栽培方法:一部の畑ではビオロジック農法が導入されており、持続可能性に配慮した取り組みも行われています。
4.醸造の特徴
ビソルのプロセッコは、いわゆるシャルマ方式(タンク内二次発酵)で造られていますが、他の生産者とは一線を画す丁寧な工程が特徴です。
- 低温長期発酵:アロマを繊細に引き出すため、通常よりも低温かつ長期間の発酵が行われます。
- 熟成期間:特にトップキュヴェでは、タンク内熟成を30日以上かけることもあり、泡立ちのきめ細かさと骨格のある味わいを実現。
- SO₂の使用制限:できる限り酸化防止剤の使用を控え、テロワール由来の味わいを重視。
5.生産している主なワインリスト
ワイン名 | タイプ | 畑 / 格付け | 特徴 |
---|---|---|---|
Bisol Jeio Prosecco Brut | スパークリング | DOC | フレッシュで爽快なスタイル。日常向け |
Bisol Jeio Rosé Brut | スパークリング・ロゼ | DOC | ピノ・ネーロ使用、繊細な赤果実の香り |
Bisol Valdobbiadene Superiore di Cartizze DOCG | スパークリング | Cartizze(最上級クリュ) | 豊かな果実味と上質な泡立ち |
Bisol Crede Valdobbiadene Prosecco Superiore DOCG | スパークリング | 特定畑Crede | 柑橘系とミネラル感が際立つ |
Bisol Molera Prosecco DOC | スパークリング | ベーシックライン | スッキリした口当たりとコストパフォーマンス |
※価格は日本市場における一般的な参考値であり、販売店やヴィンテージにより変動します。
6.コラム:ビソルをもっと深く知るために
- 🥂 カーティッツェ(Cartizze)とは?
プロセッコDOCGの中でも最上級とされる「グラン・クリュ」に相当する区域。ビソルのCartizzeは、年間生産量も限られ、希少価値があります。 - 🌱 サステナブルな取り組み
太陽光パネルの導入や水資源の再利用など、環境に配慮したワイン造りを積極的に行っています。 - 🧀 食事とのペアリング
軽快なスタイルは魚介類や前菜との相性が抜群。Cartizzeのような複雑なワインは、熟成チーズやリゾットと楽しむのもおすすめです。
ビソルは、プロセッコの真の実力を伝える存在として、イタリア国内外で評価を確立しています。手頃な価格帯からハイクオリティな限定キュヴェまで、幅広い層のワインラヴァーに愛されるそのスタイルは、プロセッコの魅力を再発見させてくれることでしょう。
次にご希望の生産者があれば、どうぞお知らせください。正確で信頼できる記事をお届けいたします。
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