アリカンテ(Alicante)DO│歴史あるスペイン地中海ワインの魅力

アリカンテDO徹底解説:歴史あるスペイン地中海ワインの魅力
目次

1.導入:アリカンテとは?

アリカンテ(Alcante)DOスペインのバレンシア州南部に位置し、地中海に面した歴史的なワイン産地です。
1980年に原産地呼称(DO)に認定され、地元品種と国際品種の多彩なブドウを使った個性豊かなワインを生産しています。
特に伝統的な甘口ワイン「ミスティラ(Mistela)」や赤ワイン、ロゼワインが知られています。歴史は古く、ローマ時代からワイン造りが盛んでした。

2.気候

アリカンテは典型的な地中海性気候で、夏は暑く乾燥し、冬は穏やかで温暖です。
年間降水量は約300~400mmと少なめで、主に秋と春に集中します。気温は夏に35度以上に達することもあり、太陽光を多く浴びてブドウの成熟を促します。
標高は海抜200〜600メートルの丘陵地帯が多く、夜間の涼しい風がブドウの酸味を保つのに役立っています。

3.主なブドウ品種

アリカンテDOでは、以下の品種が主要です。

  • モナストレル(Monastrell): 地元で最も広く栽培される赤ブドウ。濃厚でタンニン豊富なワインを生み出します。
  • ガルナッチャ(Garnacha): 赤ワインに使われ、果実味と柔らかさを加えます。
  • カベルネ・ソーヴィニヨン(Cabernet Sauvignon): 国際品種として品質向上に寄与。
  • メルロー(Merlot): 柔らかな味わいを持つ国際品種。
  • モスカテル(Moscatel): 甘口のデザートワインやミスティラに利用される白ブドウ。
  • パロミノ(Palomino): シェリーの主要品種で、白ワインに使われることもあります。

4.醸造

伝統的には甘口ワインの生産が盛んでしたが、近年はドライな赤・ロゼワインの品質向上に注力しています。
醸造では温度管理を徹底し、果実味や酸味のバランスを追求しています。
熟成は主にステンレスタンクやフレンチオーク、アメリカンオーク樽で行い、ワインの多様なスタイルを実現しています。

5.DO(原産地呼称)などの規制

アリカンテDOは以下のような規制で品質を保証しています。

  • 栽培面積: 約5,000ヘクタール。
  • 収穫量上限: 赤・ロゼは8トン/ヘクタール、白は9トン/ヘクタールまで。
  • アルコール度数: 赤・ロゼは12.5%以上、白は11.5%以上。
  • 熟成期間: 赤ワインは最低6ヶ月間の熟成義務(うち3ヶ月は樽熟成)、ロゼは3ヶ月、白は2ヶ月。
  • ブドウ品種ごとの使用比率も厳格に管理されています。モナストレルは赤ワイン用ブドウの最低60%使用が義務づけられています。

6.主な生産者一覧

生産者名(読み方)概要公式HPInstagram
ボデガス・バルバ(Bodegas Barvá)小規模ながら高品質ワインを造る新進気鋭の生産者。https://bodegasbarva.com/https://www.instagram.com/bodegasbarva/
ボデガス・ヴェルデロ(Bodegas Verdeloro)モスカテルを使った甘口ワインに強みを持つ老舗。https://verdeloro.com/https://www.instagram.com/verdeloro/
ボデガス・バルバン(Bodegas Balbán)伝統と現代技術の融合で多様なスタイルのワインを生産。https://bodegasbalban.com/https://www.instagram.com/bodegasbalban/
ボデガス・シエラ・カンポ(Bodegas Sierra Campo)自然派志向でオーガニックワインも手がける。https://sierracampo.com/https://www.instagram.com/sierracampo/
ボデガス・トゥリセニア(Bodegas Turrisennia)モナストレル主体の力強い赤ワインが評判。https://turrisennia.com/https://www.instagram.com/turrisennia/

アリカンテDOは伝統ある地中海ワインの魅力を、モナストレルを中心に多彩なブドウで表現している産地です。初心者から上級者まで楽しめるバランスの良いワインが揃っています。ぜひ注目してみてください。

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この記事を書いた人

とある企業の会社員
突然ワインに目覚めて、その奥深さにハマる。
WSET Lv.3のほか、日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート、チーズプロフェッショナル協会認定チーズプロフェッショナルも保有し、現在は、WSET Diploma(WSET ディプロマ)に挑戦中。
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