1. 基本情報
- 正式名称:シャトー・ムーラン・オー・ラロック(Château Moulin Haut-Laroque)
- 所在地:フランス、ボルドー地方、フロンサック地区(Fronsac AOC)
- 創業年:1607年(エルヴェ家による所有開始)
- 所有者:エルヴェ家(Hervé family)
- 主要品種:メルロ(Merlot)、カベルネ・フラン(Cabernet Franc)、カベルネ・ソーヴィニヨン(Cabernet Sauvignon)、マルベック(Malbec)
- 栽培面積:約16ヘクタール
- 公式サイト:https://www.moulinhautlaroque.com
シャトー・ムーラン・オー・ラロックは、ボルドー右岸のフロンサック地区に位置する家族経営のワイナリーです。メルロ主体の赤ワインを中心に生産し、品質の高さから国内外で高い評価を受けています。
2. 歴史
シャトー・ムーラン・オー・ラロックの歴史は、1607年にブルターニュ出身のジャン=マリー・エルヴェ氏がフランス王の水兵としての任務を終え、サイヤン(Saillans)に定住したことに始まります。1890年には最初のヴィンテージが瓶詰めされ、現在もそのボトルがエルヴェ家に保管されています。1970年代にはジャン=ノエル・エルヴェ氏とドミニク・エルヴェ氏が品質向上に努め、ワイナリーの名声を高めました。現在はトマ・エルヴェ氏が経営を引き継ぎ、伝統と革新を融合させたワイン造りを行っています。
3. 栽培の特徴
シャトー・ムーラン・オー・ラロックのブドウ畑は、フロンサック地区の中でも特に優れたテロワールを持つサイヤンの丘陵地に広がっています。平均樹齢は約60年で、粘土石灰質の土壌がブドウに豊かなミネラルと複雑な風味をもたらします。また、南向きの斜面に位置するため、日照量が豊富で、ブドウの成熟が促進されます。栽培は環境への配慮を重視し、持続可能な農法を採用しています。
4. 醸造の特徴
シャトー・ムーラン・オー・ラロックでは、伝統と最新技術を融合させた醸造を行っています。収穫はすべて手摘みで行われ、ブドウは小さなケースで運ばれます。醸造は温度管理されたステンレスタンクで行われ、マロラクティック発酵はフレンチオーク樽で実施されます。ワインは重力を利用して移動され、ポンプの使用を最小限に抑えています。熟成は平均18ヶ月間行われ、新樽の使用率は約35%です。このような丁寧な醸造により、エレガントでバランスの取れたワインが生まれます。
5. 生産している主なワインリスト
以下に、シャトー・ムーラン・オー・ラロックが生産する代表的なワインを表形式でご紹介します。
ワイン名 | タイプ | 特徴 |
---|---|---|
シャトー・ムーラン・オー・ラロック(Château Moulin Haut-Laroque) | 赤・辛口 | メルロ主体。豊かな果実味としっかりとした骨格。 |
シャトー・エルヴェ・ラロック(Château Hervé-Laroque) | 赤・辛口 | セカンドワイン。フレッシュで親しみやすい味わい。 |
シャトー・ムーラン・オー・ラロック キュヴェ・スペシャル(Cuvée Spéciale) | 赤・辛口 | 特別な区画のブドウを使用。複雑で深みのある味わい。 |
シャトー・ムーラン・オー・ラロック ヴィエイユ・ヴィーニュ(Vieilles Vignes) | 赤・辛口 | 古樹から収穫されたブドウを使用。凝縮感と長い余韻。 |
シャトー・ムーラン・オー・ラロック ロゼ(Rosé) | ロゼ・辛口 | 限定生産。フレッシュで華やかな香り。 |
6. コラム:シャトー・ムーラン・オー・ラロックの魅力
- 歴史と伝統の融合:1607年から続くエルヴェ家のワイン造りの伝統が、現代の技術と融合し、高品質なワインを生み出しています。
- フロンサックのテロワール:粘土石灰質の土壌と南向きの斜面が、ブドウに豊かなミネラルと成熟度を与え、ワインに独特の個性をもたらします。
- コストパフォーマンスの高さ:ボルドー右岸の他の有名産地と比べて、手頃な価格で高品質なワインを楽しむことができる点も魅力です。
シャトー・ムーラン・オー・ラロックは、フロンサック地区の隠れた名門として、伝統と革新を融合させた高品質なワインを生産しています。メルロ主体のエレガントな赤ワインは、初心者から愛好家まで幅広い層におすすめです。ぜひ一度、その魅力を味わってみてください。
コメント