1. 基本情報
- 正式名称:カノンコップ・ワイン・エステート(Kanonkop Wine Estate)
- 創業年:1929年(初の自社ラベルワインは1973年にリリース)
- 所在地:南アフリカ・西ケープ州ステレンボッシュ、シモンズバーグ山麓
- 所有者:クリゲ家(Krige family)による4世代にわたる家族経営
- 主な製品:赤ワイン(ピノタージュ、カベルネ・ソーヴィニヨン、ボルドー・ブレンド)、ロゼワイン
- 公式サイト:https://kanonkop.co.za/
カノンコップは、南アフリカのプレミアム赤ワインの代名詞として知られ、特にピノタージュの名手として世界的な評価を受けています。その品質の高さから、「南アフリカのプルミエ・クリュ」と称されることもあります。
2. 歴史
カノンコップの歴史は1929年、ポール・サウアー氏が母親から農地を相続したことに始まります。当初はブドウ栽培に専念していましたが、1973年に初の自社ラベルワインをリリースし、ワイナリーとしての道を歩み始めました。その後、ヤン・ボーランド・クッツェー氏やアブリー・ベッカー氏といった優れた醸造家の手によって、品質と評価を高めていきました。
現在は、ポール・サウアー氏の孫にあたるポールとヨハン・クリゲ兄弟が経営を担い、伝統と革新を融合させたワイン造りを続けています。
3. 栽培の特徴
カノンコップのブドウ畑は、ステレンボッシュのシモンズバーグ山の斜面に広がり、標高180〜365メートルに位置しています。土壌は風化した花崗岩と赤粘土で構成され、水はけが良く、ブドウの根が深く張ることで、凝縮感のある果実が育ちます。
栽培面積は約100ヘクタールで、主な品種と割合は以下の通りです。
- ピノタージュ(Pinotage):50%
- カベルネ・ソーヴィニヨン(Cabernet Sauvignon):35%
- メルロー(Merlot):7.5%
- カベルネ・フラン(Cabernet Franc):7.5%
特にピノタージュは、1950年代に植樹された古木が多く、樹齢60年以上のブロックも存在します。これらの古木からは、深みと複雑さを備えた高品質なワインが生まれます。
4. 醸造の特徴
カノンコップでは、伝統的な醸造手法を重視しつつ、最新の技術も取り入れています。主な特徴は以下の通りです。
- 手摘み収穫と選果:すべてのブドウは手摘みで収穫され、丁寧に選果されます。
- 開放型コンクリート発酵槽:発酵は開放型のコンクリートタンクで行い、2時間ごとに手作業でピジャージュ(櫂入れ)を行います。
- マロラクティック発酵と熟成:マロラクティック発酵後、新樽または2回使用の225Lフレンチオーク樽で12〜24ヶ月間熟成させます。
- 低収量の追求:品質を重視し、収量を制限することで、凝縮感のあるワインを生産しています。
これらの手法により、カノンコップのワインは力強さとエレガンスを兼ね備えたスタイルに仕上がります。
5. 主なワインリスト
以下に、カノンコップが生産する代表的なワインを表形式でご紹介します。
ワイン名 | タイプ | 特徴 |
---|---|---|
ブラック・ラベル・ピノタージュ(Black Label Pinotage) | 赤・フルボディ | 樹齢60年以上の古木から造られるフラッグシップワイン。濃厚で複雑な風味。 |
ポール・サウアー(Paul Sauer) | 赤・フルボディ | カベルネ・ソーヴィニヨン主体のボルドー・ブレンド。熟成ポテンシャルが高い。 |
エステート・ピノタージュ(Estate Pinotage) | 赤・フルボディ | ピノタージュ100%。果実味とスパイスのバランスが良い。 |
カデット・ピノタージュ(Kadette Pinotage) | 赤・ミディアムボディ | 若木から造られる親しみやすいスタイル。コストパフォーマンスに優れる。 |
カデット・ロゼ(Kadette Rosé) | ロゼ・辛口 | ピノタージュを使用したフレッシュでフルーティーなロゼワイン。 |
6. コラム:カノンコップの魅力
- ピノタージュの名手:カノンコップは、南アフリカ独自の品種であるピノタージュの可能性を最大限に引き出し、その品質の高さで世界的な評価を受けています。
- 伝統と革新の融合:伝統的な醸造手法を守りつつ、最新の技術や研究を取り入れることで、常に高品質なワインを生産しています。
- 持続可能な農業への取り組み:環境への配慮を重視し、持続可能な農業と醸造を実践しています。
カノンコップは、南アフリカの豊かな自然と伝統を背景に、高品質なワインを生産するワイナリーです。その多様なラインナップは、日常の食卓から特別なシーンまで幅広く楽しむことができます。ぜひ一度、カノンコップのワインをお試しください。
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