カラタユド（Calatayud）│古木ガルナッチャが生む力強い赤の魅力

1. 導入：カラタユドとは？

カラタユド（Calatayud）は、スペイン北東部アラゴン州サラゴサ県の南西部に位置するワイン産地で、1990年に原産地呼称（DOP）として認定されました。

この地域は、急峻な山岳地帯と高地に広がるブドウ畑が特徴で、特に樹齢50年以上の古木ガルナッチャ（Garnacha Tinta）から造られる力強い赤ワインで知られています。

2. 気候

カラタユドは大陸性気候に属し、夏は暑く乾燥し、冬は寒冷で、年間平均気温は13℃以下、降水量は300～500mm程度です。

この厳しい気候条件が、ブドウに凝縮感と高い糖度をもたらし、風味豊かなワインの生産を可能にしています。

3. 主なブドウ品種

カラタユドでは、赤ワイン用ブドウが全体の92%を占め、特にガルナッチャ・ティンタが主要品種として栽培されています。

その他の赤品種には、テンプラニーリョ、シラー、マスエラ（カリニェナ）、モナストレル、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、ボバルなどがあります。白ワイン用には、マカベオ、マルヴァジア、モスカテル・デ・アレハンドリア、ガルナッチャ・ブランカ、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、ゲヴュルツトラミネールなどが栽培されています。

4. 醸造

カラタユドのワイン生産者は、伝統的な手法と最新の技術を融合させた醸造を行っています。特に赤ワインでは、古木ガルナッチャを使用し、手摘み収穫、低温発酵、オーク樽での熟成などを行い、果実味豊かで複雑な味わいのワインを生み出しています。また、リキュールワインやスパークリングワイン、遅摘みワインなど、多様なスタイルのワインも生産されています。

5. DOPなどの規制

カラタユドDOPは、アラゴン州サラゴサ県の46の自治体にまたがり、約3,500ヘクタールのブドウ畑が広がっています。DOPの規定では、収穫量やアルコール度数、熟成期間などに関する厳格な基準が設けられており、特に樹齢50年以上の古木ガルナッチャから造られるワインは「Calatayud Superior」として分類され、高い品質が保証されています。

6. 主な生産者

以下に、カラタユドを代表するワイナリーをご紹介します。

生産者名（読み方）	概要	公式HP	Instagram
ボデガス・ランガ（Bodegas Langa）	1867年創業の家族経営ワイナリーで、カラタユドDOPの設立にも関与。ガルナッチャを中心に高品質な赤ワインやカバを生産しています。	https://www.bodegas-langa.com/	https://www.instagram.com/bodegaslanga/
ボデガス・サン・アレハンドロ（Bodegas San Alejandro）	15家族が所有する950ヘクタールのブドウ畑から、オーガニック認証を受けたブドウを使用し、多様なワインを生産しています。	https://spanishwinelover.com/winerie/san-alejandro	https://www.instagram.com/bodegassanalejandro/
ライセス・イベリカス（Raíces Ibéricas）	ベルギー出身のマーク・シェッテカット氏が設立したワイナリーで、古木ガルナッチャを使用した高品質な赤ワインを生産しています。	https://www.raicesibericas.com/	https://www.instagram.com/raicesibericas/
ボデガス・イ・ビニェドス・デル・ハロン（Bodegas y Viñedos del Jalón）	伝統的な手法と最新技術を融合させたワイン造りを行い、地域のテロワールを表現したワインを生産しています。	https://www.calatayudwine.com/en/wineries/	https://www.instagram.com/bodegasjalon/
エル・エスコセス・ボランテ（El Escocés Volante）	スコットランド出身のマスター・オブ・ワイン、ノレル・ロバートソン氏が設立したワイナリーで、古木ガルナッチャを使用した革新的なワインを生産しています。	https://www.escocesvolante.com/	https://www.instagram.com/escocesvolante/

まとめ

カラタユドは、古木ガルナッチャを中心とした力強い赤ワインで注目を集めるスペインのワイン産地です。厳しい気候条件と多様な土壌、伝統と革新が融合した醸造技術により、個性豊かなワインが生み出されています。初心者から愛好家まで、幅広い層におすすめできるカラタユドのワインをぜひお試しください。

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