1. 導入:カンポ・デ・ボルハとは?
カンポ・デ・ボルハ(Campo de Borja)は、スペイン北東部アラゴン州サラゴサ県の北西部に位置するワイン産地で、1977年に原産地呼称(DO)として認定されました。この地域は、エブロ川の平野とイベリコ山系の山岳地帯の間に広がるトランジションゾーンにあり、モンカヨ山の影響を受けた特有の気候と地形が、個性的なワインを生み出しています。
2. 気候
カンポ・デ・ボルハは大陸性気候に属し、冬は寒冷で乾燥した北西風が吹き、夏は地中海性の影響を受けて暑く乾燥します。年間降水量は低く、低地で約350mm、高地で約450mm程度です。このような気候条件が、ブドウに高い糖度と凝縮感をもたらし、力強い赤ワインの生産を可能にしています。
3. 主なブドウ品種
カンポ・デ・ボルハでは、赤ワイン用ブドウが中心で、特にガルナッチャ(Garnacha)が主要品種として栽培されています。その他の赤品種には、テンプラニーリョ、マスエラ(カリニェナ)、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、シラーなどがあります。白ワイン用には、マカベオ、ガルナッチャ・ブランカ、シャルドネ、モスカテル・デ・アレハンドリア、ソーヴィニヨン・ブラン、ベルデホなどが栽培されています。
4. 醸造
カンポ・デ・ボルハのワイン生産者は、伝統的な手法と最新の技術を融合させた醸造を行っています。特に赤ワインでは、古木のガルナッチャを使用し、手摘み収穫、低温発酵、オーク樽での熟成などを行い、果実味豊かで複雑な味わいのワインを生み出しています。また、ロゼワインや白ワイン、デザートワイン、スパークリングワインなど、多様なスタイルのワインも生産されています。
5. DOなどの規制
カンポ・デ・ボルハDOPは、16の自治体にまたがり、約6,200ヘクタールのブドウ畑が広がっています。DOPの規定では、収穫量やアルコール度数、熟成期間などに関する厳格な基準が設けられており、品質の高いワインの生産が保証されています。特に赤ワインでは、クリアンサ(Crianza)、レセルバ(Reserva)、グラン・レセルバ(Gran Reserva)などの熟成規定があり、それぞれ最低熟成期間やアルコール度数が定められています。
6. 主な生産者
以下に、カンポ・デ・ボルハを代表するワイナリーをご紹介します。
生産者名(読み方) | 概要 | 公式HP | |
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ボデガス・ボルサオ(Bodegas Borsao) | カンポ・デ・ボルハDOPの設立メンバーで、ガルナッチャを中心とした高品質な赤ワインを生産し、国際的な評価を得ています。 | https://www.bodegasborsao.com/ | https://www.instagram.com/bodegasborsao/ |
ボデガ・アルト・モンカヨ(Bodega Alto Moncayo) | 2002年設立のワイナリーで、古木のガルナッチャを使用したプレミアムな赤ワインを生産しています。 | https://www.altomoncayo.com/ | https://www.instagram.com/altomoncayo/ |
ボデガス・アラゴネサス(Bodegas Aragonesas) | 1984年設立のワイナリーで、伝統的な手法と最新技術を融合させたワイン造りを行っています。 | https://www.bodegasaragonesas.com/ | https://www.instagram.com/bodegasaragonesas/ |
ボデガス・ルベルテ(Bodegas Ruberte) | 家族経営のワイナリーで、ガルナッチャを中心とした多様なスタイルのワインを生産しています。 | https://www.bodegasruberte.com/ | https://www.instagram.com/bodegasruberte/ |
ボデガス・アインソン(Bodegas Ainzón) | 地元の協同組合が運営するワイナリーで、地域のテロワールを活かしたワインを生産しています。 | https://www.bodegasainzon.com/ | https://www.instagram.com/bodegasainzon/ |
まとめ
カンポ・デ・ボルハは、古木のガルナッチャを中心とした力強い赤ワインで注目を集めるスペインのワイン産地です。厳しい気候条件と多様な土壌、伝統と革新が融合した醸造技術により、個性豊かなワインが生み出されています。初心者から愛好家まで、幅広い層におすすめできるカンポ・デ・ボルハのワインをぜひお試しください。
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